「どんど焼き」
谷口 啓治
 お正月の飾り物を纏めて焼く風習が残っており、当地区では15日ごろの土曜日に行われる。場所は、決まって県立北高校の東側の田んぼの中である。

  今年は、1月15日 折柄の雪を呼びそうな曇天下で行われた。お願いすべき玄関飾り1個、家じゅうに供えた輪飾り6個を、火が点けられる前の火床にささやかなお賽銭と共にお供えして無精ながら開式前に帰宅した。

 今回は、明るかった所為で周りの様子が分ったが、繭玉飾りが周囲にかざってあり、懐かしく思って世話人に「この辺では養蚕が行われたのか?」とお聞きしたが、「いいえ」との答えが返ってきた(アラ・シックスティだったので分らなかったのかも)。
  本来は、お蚕さんに感謝の意を籠めて 木の枝にお餅か、団子を刺して正月中は家に飾った縁起物だったはずであり、俄かにこしらえるものではない筈なの・・・それに、筆者の借り畑の前身が桑畑とも聞いていたので、養蚕がなかったとは考えられない・・・などと考えながら、養蚕技師として京都府やK紡でお蚕さんと生糸にまみれて頑張った亡父のことを偲んだ。       

2011年1月16日