(日光の史跡・自然と山 ガイド・その1)  注*
注連縄と紙垂について
 玄梅正明  
注連縄(しめなわ)とは


   古代には尻久米縄(しりくめなわ)とも言われ「万葉集」に『標縄(しめなわ)』としても書かれている。
   内外の境界と神聖な領域を示すとともに不浄なものの侵入を禁じるものでもあります。神社に限らず岩や樹木に張ることもありまして、朝鮮半島や東南アジアにも似た意味の縄を張った境界が確認されています。
   わが国では、天照大神が天の岩戸からお出でになった後に岩戸に張った縄が注連縄の始まりとされています。また、当時は一定の間隔で藁を七本、五本、三本と垂らした名残が「七五三縄」という書き方が見受けられます。
紙垂(しで)とは

  特殊に断ち折りした紙であり、聖域を表す印として祓具(はらいぐ)としての意味を備える。かつては麻を使用していたそうですが、後に樹皮から作った木綿等も使用しました。現在は、和紙を使い、垂れる数によって二垂、三垂、四垂・・・・等があります。

   玉串・祓串・御幣につけた場合は祓具としての意味を持つが、注連縄に垂らして神域・祭場に用いた場合は聖域を表す印となる。また、相撲の横綱は、紙垂を垂らした綱をつけ土俵入りをする。(土俵は聖域であることから)また、大関以下の土俵入りの時、化粧まわしを持ち上げ両手を挙げるしぐさは聖域な所で私は一切何も隠し持っていませんということを表している。
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   蛇は神聖な生き物として崇められている。この注連縄と紙垂(四垂)は形からみて二つの説がある。
   一つは「二匹の蛇の絡み(交尾)」を表しているともいわれる。
   蛇の交尾は@オスがメスを追いかけるA絡みながら頭から愛撫を始めるB交尾状態に入る(これまでに4時間かかる)C頭から徐々に離れるD尾だけ結合している(これまで26時間を要する)。絡み合った形が注連縄の形を表し、蛇の目は稲妻の形に見えるので、二匹で4つの目を紙垂で稲妻の形で現している。
   もう一つの云われは、注連縄が稲藁であり、秋の稲刈りの時期には雷が多く起きることから紙垂で稲妻を表しているとも云われています。

                                                      2011・01・07 
   
注*(ホームページ編集委員より)
玄梅正明氏は現在日光観光協会に所属して奥日光や霧降、市内のボランテイアガイドをしていますので、これから折に触れ案内かたがた日光の史跡や自然についての解説を写真入で投稿していただけるそうです。