下野だより
谷口 啓治
 2018年は3月6日が所謂「啓蟄」であった。
我れ、下野のお百姓は、その数日前から農園に出て昨年の夏以来放置していた畑地の手入れを始めた。
娘婿に寄贈された耕運機(正確に「管理機」と言う)を駆使し、気になる部分や“これぞ”と思う畝には手鍬をふるっているが、7日になって やっと四つの畝を完成することが出来た。
 昨年、ジャガイモを3畝ほど植えながら 夏頃の家庭の事情に災いされて三分の一程しか収穫出来なかった部分は、“連作(障害)”を嫌って今年は夏大根を植えるつもりで二畝準備したが、何と全長16m.の長畝に仕上がった。
次に長いのは、葉物を播こうと準備した隣接の二畝で、こちらは12m.長のものである。
リベンジを期するジャガイモは、北側のブロックに植え付けるつもりで 準備中であるが、8m.畝を四本程作り、品種別に男爵、キタアカリ、メークイーンなどを植え付けたい。
ジャガイモの植え付け時期は、春彼岸過ぎであり時間的には未だ余裕がある、と多寡をくくっている。
 以上の具合を写真に示す。

        
          写真 1;ダイコン用の新畝

       
          写真 2;ジャガイモ用の候補地

 
       
           写真 3;堀り残し芋“無残”! 

 写真について 少々付言したい。

 写真 1について、
 真ん中のクッキリ写っている畝とその左畝とが全長16m.あり、右の白いロープで囲んだ畝と右隣の畝は12m.もの。右端の枯れ草は、刈り取って越年したもので、写真 1全体に覆い被さっていた身の丈ほどある雑草であった。
エンジン付き刈り払い機も受付けず、まず手鎌で“粗取り”をした後に機械で刈った。根っこは三又鍬で掘り起こし、前述の管理機で地ならし、さらに手鍬を使って整地する、と言う大工事であった。
やり方は同じながら、写真左部を先行して一畝分の玉ねぎを植えた。黒いビニールシートの部分に約50本の苗が育ってくれている。
左手前のドーム状キャップの中には、銀杏の実とエンドウのタネを播いた。

 写真 2について
 中央の畝が今年のジャガイモ用地になる。上部の直交した黒っぽい畝の部分はプロ級の農友がやっている。
左手小屋の手前に見える白っぽいものは、白菜とキャベツとを植えて霜除けに作ったトンネルであったが、昨冬の酷寒にやられてしまい役に立たなかった。

 写真 3について
 写真 1で述べた未収穫だったイモの残りである。冬越し途中で掘り上げたもの(除草作業中に収穫)は、近くの動物園へ寄贈したが、写真は今回の作業で掘った残骸である。キタアカリが多いようであるが、中にはソフトボール程の大きさのものがあり、涙が出るほど悔しかった。
部分的に“よいとこ取り”して、種イモとして再生させてやりたく思っている。
 
鋳物屋転じて下野の百姓!10年以上もやっていてこの有様である。
小生自身も かなり高齢なので相応の百姓仕事に変更しよう、と思っている。
 お終いに、「啓蟄」と言ってもミミズ一匹出てこない福島寄りの栃木県々都から お粗末ながら一筆啓上することを ご笑付あれ。    以上、