邸 内
まばらに観光客がやってきて、5,6人ごとにボランティアのガイドが付いて邸内を紹介していく。
この時期、例年のごとくひな祭りの行事として、地元のご婦人方が手作りした小さなひな人形をはじめ、吊るし雛、クジャクの刺繍が素晴らしい和服が展示されていた。
戸定邸は丹勢社宅を思わせるような素朴な建屋であるが、杉の正目を使用して築130年でも狂いがなく健在。
主賓を招く客間の西、真正面には真っ白な富士山が――であるが、よりによって金町に富士山に重なる高層マンションが、である。
戸定邸は、さすが徳川家の、と思わせるロケーションであった。
以前にも紹介したが、明治に入り、異母兄弟の徳川昭武および15代将軍慶喜は、戸定邸で写真撮影、猟銃、コーヒーなどを共通の趣味とした、とある。
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