「岡目八目」というべきか
谷口 啓治
 高卒就職に失敗して、当時もてやされた「駅弁大学」に拾われ、なんとか卒業した“(機械)工学士”ながら 最近の技術屋さんの思考に大いに疑問を有する。

 卑近な例では、軽井沢の夜間(スキー)バスの事故を上げたい。
言われているように、軽くて格好のよいスタイルを優先して車体の強度に関する配慮が欠けている、と言う指摘は間違ってはいないと思う。
学識経験豊富なセンセイ方が集まってバスの車体強度の標準化乃至は設計基準の更新を計られるのも間違っていない、と思う。しかし、
筆者は、現役時代からH社やM社の大型トラック、バスのアルミ部品の製造に協力して来て、その辺の事情が何となく分かっているつもりである。
 車体の設計について言えば、主に観光バスのトレンドが客席からの視野を良くする、という観点から所謂“ハイデッカー”(高床式)になっている点に注目したい。当然ながら車体の重心は高くなるし、肝心の運転席は従来のように(相対的に)低い位置に置かれていて車体の横揺れが把握し辛いのではないか。
同様の理由で窓ガラス面積が大きくて、車体強度にとってマイナス要因になっていることも事実であろう。
しかし、住宅用の窓ガラスの構成はどうか、と言えば、縁取り枠にあたるアルミのサッシは相対的に小さいが簡単に割れた、と言う話はあまり聞かない。
この辺の事を配慮しないで、単なる強度論議を進めると「でわ戦車並みで無ければ・・」ということになりかねない。
 脱線するが、一時「金属疲労によるスタッドボルトの折損で」タイヤホイールが外れて、車体と並行的に暴走して歩行者に当たり重大事故を起こしたことがあったが、これなどはタイヤホイール取り付け時の締め付けトルクが過大であると思われる。エアーレンチで、ダダッと締め付けてしまうとボルトは常に引張力を受けて“首つり”状態にあるからたまったものではない。
筆者は、業者での整備が終わった愛車は必ずボルトを緩めて締め直す。
 次に、今また福井県の高浜原発の何号機かが原因不明の汚染水漏れを起こしているとか。
原発については、誰がどのような根拠で異常時対応の策を弄しているのか?
このことにこそ○○大臣の一喝があるべきで、①アイスウオールで水漏れを防ぐとか、②(遥か5年も昔の話になったが)“水ガラス”を土中に注入して遮水するとかと言うおハナシには首肯できない。
筆者は、学生時代のゼミで水ガラスを扱っていたので、「斯く斯くしなければだめだョ」と、東電にtelで.伝授したがやらなかったようだ。
今、現地を掘り起こしてみれば、多分 水飴状のものが出るであろう、と臍をかむ思いがする。

 昔の人の知恵(注1,2)を大いに拝借すべし。単に海の向こうにあるものを拾う事だけで無く、先人の経験に学んで欲しい、と切に思う。
   注1;汚水の暗渠とか配管の詰まりを除くのに、上流から突くようなことはいけない。下流から上流
       へ、である。
   注2;土手の雑草を刈るときは、下方の長手方向刈り取ってから上の方を刈る(自家用車の洗
       車は上が先、次に下へと汚れを落としていく)。
   注 ;お医者さん、機械の撮影した映像だけでなく、聴診器を当てたりベロの色を見ることもして
       ほしいし、何よりも患者の本音を誘導して!

こんなナマを言う筆者の近影を示す。
ナンともエスキモーの様なスタイルであるが、後ろの「竹矢来」は我が奥さまが薔薇の蔓を這わせる為に3~4年ぶりに更新して上げたばかりのもの。
       
 いざ、と言う時に○桶が担ぎ出せないようでは困るので、少なからず配慮したつもりであるが、今後、(蔓に引っ張られて)「竹矢来」が倒れないように手直しする必要があり、目下思案中である。
                                                2月23日記す