塩田博久 著  句集『雑踏』


昭和四十八年から平成十五年までの作品から選んで、四百五十六句を収めた。多くが生活吟、日常の些事雑事を詠んだものである。作句に当たっては「自分の顔のある句を作れ」という師匠の教えを守ったつもりである。
俳句は作者の自己紹介かつぶやきのようなもので、作る時に読者の存在をほとんど意識しない。だから「自薦」すべきものではなかろう。せめて、興味を持たれる読者のために何らかの「無用の用」が果せれば幸いである。