八百長 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この問題についてはいろいろ前述したが、最近マスコミが喧しく取り上げているので纏めて一章にしてみる(重複する点は乞うご容赦)
角界には八百長という語はない。八百長疑惑で「週間現代」と訴訟沙汰になったときも、北の湖前理事長は東京地裁において「相撲界に八百長はない」と強調した(20.10.16)。 八百長の意味を「広辞苑」は次のように説く ・・・「明治初年通称八百長という八百屋が、相撲の年寄り某と常に碁を囲み、すぐれた技術を持ちながら、巧みにあしらって一勝一敗になるようにしていたことに由来するという」 @ 相撲で力士の一方が前もって負ける約束をしておいて、土俵上でうわべだけの勝負を争うこと、なれ合いの勝負 A 内々示し合わせておいて、馴れ合いをすること。 八百屋の長さんは本因坊に五目を置いて勝負をするほどの腕前。相撲茶屋の権利欲しさに伊勢の海親方のご機嫌を取ってわざと負けたのだ。 この件は遂に法廷に持ち込まれ20年12月に結審することになった。この九州場所でも十両の保志光が無気力相撲として審判部から監察委員会に提訴された。武蔵川理事長は記者クラブとの懇談会で“無気力相撲と思われる相撲がないようになお一層厳しくやっていく”と強い姿勢を示した。 熱烈な少年ファンであった私にも変な想い出がある。当時の好取り組みの 清水川対男女の川 の取り組みで、初代清水川元吉の勝ちを祈ってラジオの前で胸をドキドキさせていた。 ところが、両者の戦績を調べてみると次のとおり。
春は男女の川、夏は清水川ときまっていたらしい(?) 12年の春は引退に対するご餞別であろう。 若の鵬が朝青龍を八百長横綱として週刊誌に寄稿し、横綱がこれに反論しているのも嫌な話題である。若の鵬は大麻事件を起こした問題力士ではあり、その後の証言もクルクル変わっているが、火のないところ煙は立たない道理だ。 元NHK相撲解説者・玉の海梅吉のこんな語りがある。 ――― 一生に一度だけ八百長を受けたことがある。1939年の春場所・・・・この後に言葉が続くが、傷つく力士が出てくるのでここで筆を置く。 数年前に大鳴戸親方が某週刊誌に八百長の事実を告白し数日後に謎の怪死を遂げた事実があった。相撲界という古い社会(後述する)ではいろいろのことが起こるらしい。これに関連して暗い話を続けよう。 時大山が部屋の師匠・兄弟子の暴行により殺されたことは余りに有名だが、いまだに部屋の暴行事件が新聞種になるのは情けない話である。こんなことで角界の将来は大丈夫なのだろうか。九州場所の閑古鳥が鳴く桟敷席をTVでみると悲しくなる。今の相撲人気では九州場所は無理である。この場所担当の〇〇親方が気の毒だ。嘗ての大阪場所のように地方巡業の中の一興業としたらよい。 相撲界の将来に私は深い危惧を持っている。無気力相撲が絶滅できないならば、いっそ歌舞伎のような古典芸能にすればよい。真の力の押し合いでなく、見栄えのする投げや倒れの工夫をすることだ。文部科学省はいま、財団法人、公益法人の見直しを行っているが、大日本相撲協会をどう位置付けるかは、協会幹部の危機意識如何で責任重大である。 |
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