大相撲 思い出話
 これは、昭和10年前後から平成20年頃まで約70年間に亘る一相撲ファンの思い出話である。
 筆者は昭和の大部分と平成初期まで生きぬき、その間太平洋戦争にも参加し(学徒出陣)何とか今日まで生きてきた。人に誇れるような人生でもなく、大した趣味もない、いろいろ手をだしたが、囲碁、麻雀、小唄、ゴルフ等々、あまり面白いとも感じなかった。ただ、相撲観戦だけは、不思議に心惹かれるものがあった。小学生の頃から両国国技館に通い、長じては東京場所にも随分観戦に行ったものである。
尤も私の年頃の者には「趣味は相撲」と言う人が多い。他の娯楽の少ない時代であったせいだろう。会社の営業に居た時には一場所に三回行ったこともある。
 相撲に関する資料はせっせと集めていたので案外多くなった。妻や孫に纏めてみたらと勧められたので筆を執ることにした。順不動で思いつくがままに書きあげてみる。