プロジェクト ファシリテーション 
〜クライアントとコンサルタントの幸福な物語〜

著者  関 尚弘 (古河電工人事総務部)
     白川 克 (ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ)
出版社  日本経済新聞出版社
本書は2003年から5年間、古河電工で行った人事業務変革活動の内容を、実名で書き綴ったノンフィクションです。17拠点で行っていた業務を1ケ所に集約するため、業務分担や制度運用ルールの見直しなどを行いました。「残業パン」など拠点毎に異なる諸制度の取り扱いをめぐる課題を、ファシリテーションという手法を用いて対処していった過程をお楽しみいただければ幸いです。 (関 尚弘)

   朝日新聞 書評(09年9月13日)
【推薦文】
この本はその副題にある「クライアントとコンサルタントの幸福な物語」の語り部として、クライアント(プロジェクトオーナー)側の 関尚弘氏(プロジェクト副チーム長・現人事総務部・人材育成ユニット・マネジャー)とコンサルタント側の白川克氏(ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ ディレクター)の二人による共著である。
「プロジェクト ファシリテーション(PF)」という、退役企業戦士である私達世代にとっては聞き慣れない題名のこの本は書店の最前列に積んであっても手に取るのを躊躇してしまう。ところが、この本を古河電工のホームページで知り、また先輩会員から勧められて読んでみると、これが単なるビジネス・ノウハウ書ではなく、プロジェクトのスタートから完成までの当事者の弛まない努力の過程と成果をヴィヴィドに描いたドキュメンタリーとして秀逸な読み物であることに新鮮な驚きをあたえられた。一般にBPR(業務革新)はプロジェクト マネジャーの強力なリーダーシップ・プロジェクト マネジメントにその成否がかかるとされている。しかし、この本の主題の「プロジェクト ファシリテーション」ではプロジェクトに係る全ての人たちの共感を呼び起こし、人と組織の協働作業に重きを置くことが、プロジェクトを成功裏に促進するために最も重要であると説く。これにより、さまざまな個性を持つ人たちと多様な歴史と特性をもつ地域事業所が一つの目的を達成することの楽しみを共有することができるとする。             
井上邦信(会員)