“益荒男家政婦”奮戦記(その2)
谷口 啓治

 家政婦にとっては株価の急落何ゾは無関係につき、忙中閑アリとばかりに団地内の自治会が催した「新年祝賀会」に出席。
一学級分くらいの老人の集まりであったが、男子は会長、企画係など5人ほど(1月14日)。500円の弁当と100円/( 350ccのAl.缶)のビールとを自己負担しての宴会を楽しんで帰宅。
ついでの事に、冷蔵庫に眠っていた牛を使ってすき焼きを楽しんだが、メラメラと記憶がよみがえったので一筆認めておく。

1、 家貧しゅうして・・・

 古河アルミ・日光時代には、丸の内からおエライさんが見えると、定時後に“入り町クラブ(誤字かも)”で課長以上を集めた祝宴が開かれる事もあった。
 或る時、すき焼きを囲むことになり、運悪く(?)副社長・平沼五郎氏(故人)と同じテーブルに着いた。「サーやろう」と言う事で、筆者にちゃんこ番が回って来た。「家貧しゅうしてすき焼きなどは・・」とヘジった所、「じゃ、僕がやるヨ」と言って副社長にちゃんこ番を代わっていただいた。
 親が聞いたらどれほど嘆いた事か想像に難くないが、我が家ではすき焼き当番は専らオヤジの役目だったから仕方がない。大いに冷や汗をかいたものである。

 今回やって見るとなんてこたぁ無かった。
出来あいの割り下を使わずに、料理酒、フツーの砂糖、醤油などを目分量で入れて、残り物の玉ねぎ、取り立ての大根の葉っぱ、ニンジンを刻んで焚き込んだ(こんにゃくや豆腐は品切れ)鍋を、老々して楽しんだ。
 
今度孫が来て呉れたら、鉄板焼きの肉ではなくすき焼きを振舞ってやろう。
 
  閑話・・

2、 水だって馬鹿にならない

 兎小屋ながら戸建てを作った。完成はS55年11月(完)のことであるが、日光の大工さんに建ててもらった。この頃は日光製板が大忙しであって、筆者は第二製板課長を担当していたが、空席になった第一製板課長も兼務させられた。
 本来は、Al.板の仕上げ部門を担当していたのであるが、火延べから冷延までの圧延工程(第一製板)も担当することになったのである。
 
 火延べ工程がネックだったので、昼休みも交替飯を取りながらのフル操業であった。多い月には17〜8回も頑張ってもらった。勿論昼間(一の番)だけであったが、お陰でこの年の3月には、日光初の8,300トンを達成した(最後まで破られ無かったハズの記録である)。
   
 そのような多忙期だったので建築中の我が家をチェックすることが出来なかった(相変わらず、長ったらしいナァ・・・)
 その祟りであろう、35年も経った今頃に気が付いた事がある。

@ ガスだきのボイラーが風呂場には近いものの、炊事場からは離れていて洗いものをするための温水が届くのに時間がかかる。
ケチッて、洗い桶か何かに暖ったまる前の冷たい水を取り分けて置き他に転用する、と言った鋳物屋精神を発揮せざるを得ず。
 何時だったか、英国帰りのご婦人が新聞に投稿されていた「日本ではどうして水道の水が、こうも勢いよく出るのだろう(云々)」、と言う意見を思い出して、コックの開度を絞って使っているが 時々検針員に「何処か漏れていませんか?」ナンテ質問されて赤面する。

A 「今年の冬は、どうも寒いなぁ」と改めて点検してみた所、あろうことか外壁と内壁の間に断熱材が入っていないではないか。

B (数年前のことだが)軒先の天井板に雨漏れのシミを発見、施工時の屋根屋はとっくに廃業して捕まらない。別の業者に見て貰ったら、「旦那!屋根瓦が鉄板で代用されていて腐っている所から漏れている」とのこと。
石綿製の簡易瓦を使わせたのだが、数量不足で代用品を使ったらしいことが分かった。保証期間も過ぎているし大枚を叩いて修理した。
 これ等は8,300トンに関わる涙ぐましい秘話である。

追;(再び水のハナシ)

 誰しもが考えて実行することであろうが、風呂の残り湯を徹底的に再利用する。洗濯には洗い→すすぎ@→すすぎA・・と利用するが、最後のすすぎには上水を使う。
工程ごとに使った汚水は捨てているが、出来れば汲みおいて庭の植木に与えたいものである。

(モライブロ?)
 筆者が中学生の頃迄は、田舎の農家には“貰い風呂”というエコの風習があった。貧しい農村のことゆえ風呂そのものが無い家もあったし、たとえ五右衛門ぶろとは言え、井戸水を運び山で採集した朽木で煙い思いに耐えながら風呂を立てると言うことは容易でなかった。
そこから生まれた知恵であったと思うが、Aさんの風呂を使い終わった後、Bさん一家が使わせて貰う、と言うパターンであった。
公衆風呂に比して衛生面でやや問題はあったであろうが、そんな水の使い方もあった。

3、 ならうより慣れろ

@ 茹で卵の上手なつくりかた
 タップリめにお湯を沸かす。グラグラと煮えたぎらせてから生玉子をお玉か何かでソッと入れる。小生例では、約10分間煮てから(お玉で)取りだして、冷水に沈めて置く。
 バッチリ!殻が面白いほど綺麗に剥ける。やって見て欲しい。

A オカユが欲しい“老”のために、一旦炊き上げたご飯を使って「惜しげもなく」焚き直す。水の量は、飯1に対して2くらいかなァ
 トライ&エラーでやる事。芯のない美味しいオカユができる(塩味などの調整はお好みのように)

B 洗濯を上手にやる
洗剤をケチることが必要である。
洗濯機や洗剤の容器に書いてある「説明書」の通りにやらないことが多い。
洗濯機の使い方には、安全コース(注)が設定されていて、つい手がでるがムダが多いし、洗剤の投入量に至っては、完全に汚れが取れる量ではないかと思われる程を指示(注)している。
 
 (注)洗濯機にもよるかも知れないが、たとえば「標準コース」では、必要以上な二度洗いや 余分な注水洗いが設定されている。
洗剤の量は、「この機械、綺麗に洗えないョ」なんてクレームを避けて多めに指示しているようだ。

無駄を省くには、「半自動」にするなどして自分で必要な方法を見つけることが肝心である。

 ここらで一服。1月16日に学区内であった「どんど焼き」の準備状況と、帰路に撮った夕暮れどきの男体山の遠景とを紹介する。
                                                        
 
写真1;どんど焼きの準備

ドンド焼きのたいまつは左手の背の高い「木」であり水田の中に建てられており、右手の飾り物を投入して火を入れて燃やす。



奥に見える建物は、県立宇都宮北高校の体育館で屋根にカラーアルミを使って欲しかった物件である。 

18:20 2016/01/20
写真2;遠くに霞む「男体山」 
男体山は遠く離れているうえに、夕暮れに霞んでいる。



カメラが左に傾いているが、本来は屋並みが水平なのである。

 

 今回はこれにて。  
28年1月18日 大雪の日に、