医療雑記」
 谷口 啓治

   近藤誠・‘48年生まれ、慶応大学放射線科講師・医師、近著「医者に殺されない47の心得」がベストセラーになった。
人並みに、興味を覚えて図書館に借りに出かけたが、47人待ちだと言われて待つこと久し、6月14日に借りて来た。(チャリで往復し、帰途タンボに落ちた事は既報の通り。)

遅々として進まなかったが、読んでみた。
記述項目ごとに短く纏められているので、47個の最後の方から逆読み。第6章「死が恐くなくなる老い方」、第5章100歳まで元気に生きる「暮らし」の心得と言った風に、指定返却日の6月28日までに読み切った)。
週刊朝日の6月21日(筆者の誕生日なり、アハハ関係ないか)号を、新聞店に頼んで“バックナンバー”として取り寄せた。「古もの半値、と言うではないか負けてくれ」と哀願したが送料0が精いっぱい。極めて残念なり!!

同誌は、「・・・47の心得」に反論しようとしてか 2週に亘っての企画を組んでいるが、まずは第一週分を読んでみようとの魂胆である。
 「医者に殺されない・・」は、今年2月増刷分が第三刷であり、ナント70万部も売り上げたとか、「何をか言わんや」 である。

本書は、目次に従えば第1章から6章に及んでいて「心得」の項目は、まさに47個である。
各項目が脈絡に欠けるきらいはあるが、比較的読みやすいものであるので とにかく読んでみた。賛否は別にして“読後感”(筆者の経験に対比して)を書いておく。
また、週刊朝日の方は、国立がん研究センターの若尾文彦医師の“医療情報の信頼性とエビデンス(科学的根拠)”のレベルについて、述べているが筆者の読解力では及ばないから割愛する。

 心得  1; 「とりあえず病院へ」は、・・・
患者はクシャミが出れば病院に走り、(中略)言われるままに薬を飲み、精密検査を受ける。

筆者例;
平成13年6月、日曜日の昼下がりであった。かにコロッケを肴にビールを一杯やっていたら、急な腹痛有り。急いで公的病院の救急棟へ。小型の超音波検査機(エコー)で診て「胆嚢に何かがある、月曜に来院して検査を受けよ」。 その月曜日、「手術を要するので即入院」と外科部長の陣頭指揮で車いすに詰め込まれて、空き病室へ。一寸帰してくれ、ダメだと押し問答するも虚し。
外科部長ドノはインホームドコンセントのつもりだったのか、「開腹手術にするか、腹腔鏡下法を選ぶか」と下問して来た。
後者には若干の問題(今にして思えば、術者に自信がなかったのか)あり、と告げられ「開腹!」に。切ってみて驚かされたが、「これが出ました」と仁丹粒ほどの異物を見せられ、「悪性なものではありません」で、一巻の終わり。
残ったのは、下腹部に残る酷い手術跡だけ。

その2;
平成18年春の市民健康診断で、前立腺検診を受けた。
マーカーPSAが4を超えていて、精密検査に回された。触診でも判定不能、生検したところ採取分8検体から、がんが3個。手術をしなければ、との医師の勧告を嫌って県立がんセンターに転院。
現在の主治医の判断でも、「今の内に手術した方が良い」、「ホンマにがんか?(放射線療法の一種)小線源法ではダメか」など4回にわたる交渉?の末に摘出手術を受けたが、完治せず。昨年暮れから行った放射線治療も効果なし、次に「この方法を」、とホルモン療法を勧められているが未決。
(前記の小線源法事件以来は、「及ばずながら勉強せなアカン」と図書館やセカンドオピニオンを利用している)
  
(此処で中断し、以下のことは 次回以降に述べる。)
 
心得 20;  がん検診は、やればやるほど死者を増やす。
検査がヤブヘビになる五つの理由(内二個を抜粋)
① 日本は医者にがんと診断されやすい
⑤ 精密に検査するほど「がんもどき」を発見してしまう
 
心得 36;  大病院にとってあなたは患者ではなく被験者
大病院に行ってはいけない三つの理由
ひとつは、(省略)
二つ目は、大きい病院ほど実験的なことに力を注ぐようになっています。
三つ目。   病院のランクがたかいほど、(中略)行ったら最後、徹底的に検査されます。
 
余談;
 写真Aに、以前に(「夏まじか下野農園」写真4 インゲン豆②の右端)に示した育ちの良くない“味噌っかす”の近況を示す。3ポイント蒔いた内の右端のふた粒であるが、一本は間引きされて(横たわっている)、残り一本が生きながらえている。
                      (中断) 
 写真 A  インゲン豆の“味噌っかす”

平成25年7月5日記す€