新幹線の事故(続)
佐藤 幸彦
事故の3日後、2月1日にJR東海はパンタグラフの舟体(ふねたい・トロリーに接触する舟型の部品)の老朽化したものを交換した際、3人の作業者が4本の取り付けボルトを悉く取り付け忘れたのが原因と発表した。ボルトは8mm径、30mm長の由。これは末端作業者の人為的ミスとされたのだが、甚だおかしな理由である。この3人の内2人は舟体の両端をそれぞれ保持していたであろう。あとの一人はボルトを取り付けて締める役回りであろう。ではこの三人目はどうしてボルトを取付けて締めるのを「忘れる事が出来た」のであろう?舟体を交換したら必ず、パンタグラフを上げ下げするテストを行うであろうし、もし取り付けボルトがなければその時検査担当者が気がつくはずであろう。末端作業者のミスに責任を被せて、設計ミスとか、保全ミス、金属疲労とか、ボルトの締めすぎとか、問題を知りながら秘されていないだろうか?ちなみにこの車両は整備後、東京大阪間を一往復し、折返して新横浜付近で事故を起こしたのだった。
平成22年2月