日光の牛車鉄道について、[東武鉄道博物館]見学
川村 知一
 はじめに
 掲示板で記述したように、大正2年、大正天皇皇后ご行啓当時、日光の町内には、まだ牛車鉄道が存在したようである。
日光電気軌道が開業する前から使用されてきた牛車鉄道の写真などが、東武鉄道博物館にある情報で、2月11日午後、見学に訪れた。

 東武鉄道博物館
 東武鉄道博物館は東京スカイツリー線の東向島駅(旧玉ノ井駅)に隣接してあり、屋外には、ロマンスカー「けごん」、日光電車203が展示されている。


       (写真 1. 「けごん」)             (写真 2. 「日光電車203」)

 博物館内
 展示内容は大宮にあるJRの鉄道博物館に似ていて、車両の歴史資料ならびに実物モデル、運転シュミレーター、ジオラマ、パノラマショーなど、家族連れで楽しめる内容になっている。

       
          (写真 3. 蒸気機関車の模擬運転ショー)

 牛車鉄道関連資料
 奥の資料展示室を覗いて見ると、陳列棚には全て「差し替え準備中」の札があり、ガッカリして受付に戻り質問したところ、2月下旬から5月下旬まで絵画展覧会が予定されていて、準備中とのことであった。

 事情を話していたところ、脇にいた年配の女性が「なつかしの日光軌道」冊子を出して、ここに写真が載っている、とのことで、700円で購入した。
女性の話では、牛車鉄道の写真は企画によって展示され、たまたま「日光軌道展」を行った時に展示して、日光からも見学者が結構見えた、とのことであった。

 結言
@ .牛車鉄道がいつまで使われたのか?解明できなかった。
A .牛車鉄道のルートと日光電気軌道のルートは別であった。
牛車鉄道(日光―細尾間):駅前から大谷川に沿い、現在の日光橋の下流にかけられた専用の橋を渡って下河原、憾満ガ淵を経由し、田母沢の植物園裏の旧道を通って細尾に通じていた。

 日光軌道:新設の軌道は安川町から四軒町、田母沢御用邸前、花石町を通り、荒沢を渡って清滝に通じるよう敷設された。

B .開業当初は牛車鉄道に代わって清滝の精銅所まで粗銅を運び、精製された銅を停車場前まで運んだ。大正3年、足尾鉄道が全通し、足尾の粗銅は同鉄道を経由して日光に運ばれるようになった。

 冊子の写真紹介
 既に見た方もあるかと思いますが、せっかく手に入れましたので、接写で紹介します。

 (クリックすると写真が大きくなります。)  

写真 4.

写真 5.

写真 6.

写真 7.

写真 8.

写真 9.

写真 10.

写真 11.

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写真4.細尾峠の鉄索道(明治23年竣工:足尾地蔵坂―細尾間)
写真5.牛車専用鉄橋(日光橋の下流)
写真6.牛車鉄道(明治26年:細尾―日光駅間開通)
     (明治39年7月、古河鉱業が日光電気精銅所を清滝に開設)
写真7.日光電気軌道開業記念写真(明治43年)
写真8.通勤風景(安良沢)
写真9.通学風景
写真10.女学生(安良沢)
写真11.雪化粧した安良沢橋梁
写真12.丹勢下の旧型車
平成26年2月11日