小惑星の衝突 “ある?”、“ない?”
川村 知一
はじめに
1月24日(木)、読売夕刊に掲題の記事があった。
昨年2月、スペインの天文台で発見されたばかりの「2012DA14」と呼ばれる小惑星は、直径25~75mほどで、日本時間2月16日明け方、静止衛星軌道より内側の、地表から2万8000kmほどの所を通過する。
日本スペースガード協会理事長の高橋氏は、「衝突の確率は300分の1であるが、衝突を心配するほどではない」と説明している。
           (写真1.2月16日小惑星接近の様子、写真2.小惑星衝突の想像図) 
   
ボーデの法則と小惑星
私が小学生の時に読んだ、野尻抱影著「天体と宇宙」という本に、「太陽から各惑星までの距離は、ボーデの法則に適合するが、理由は不明である」、とあった。
また火星と木星の間には、あるべき惑星がなく、その代わりに小惑星が散在し、軌道は楕円を含み、低い確率で地球に衝突する、とあった。

ボーデの法則(太陽から各惑星までの距離)
太陽からの距離(単位は天文単位:太陽から地球までの距離=1億5000万km)
水星:0.4 
金星:0.4+0.3×1=0.7
地球:0.4+0.3×2=1
火星:0.4+0.3×4=1.6
(小惑星)0.4+0.3×8=2.8
木製:0.4+0.3×16=5.2
土星:0.4+0.3×32=10.0
・・・

小惑星の衝突と恐竜絶滅
約6550万年前、メキシコ・ユカタン半島に直径10kmほどの小惑星が衝突し、土や岩石が飛散して太陽光を遮り、地球上の生態系が激変して恐竜などが絶滅した。
その衝撃力は広島原爆の10億倍、衝突速度20km/秒、マグニチュード11以上の地震、津波高さ300mと推測されている。


1985年2月、私は週末をシカゴに滞在し、ミシガン湖畔にある“アドラー・プラネタリウム&博物館”のシアターで、「なぜ恐竜は絶滅したか?」というタイトルの迫力ある360°映像を鑑賞した。
当時まで原因不明であった恐竜の絶滅は、小惑星の衝突によるものであり、TIME誌でも図解された。
(写真3.赤矢印がアドラー天文博物館、右白い建物はシェッド水族館)


小惑星に命名された、高校天文部同窓の4名

彗星は発見者の名が付けられるが、小惑星は発見者が命名の権利を持ち、通常、天文学の発展に貢献した人物の中から命名する。

私が在籍した高校の天文部で、私より6年後輩のアマチュア天文家が小惑星を発見し、昨年7月、国際天文学連合(IAU)小惑星センターによって、小惑星番号9414に「ムラカミ」が命名された。
村上氏は火星の観測で世界的に知られ、世界中の火星の情報をインターネットで発信していることが評価された。(写真4.後輩を指導する村上氏)

これまでの「イトカワ」、「オオサキ」、「ニシイズミ」に続き4人目となった。
糸川英夫博士は有名、大崎正次氏(天文部顧問)は東洋史の先生で、中国天文学史の研究者、西泉邦彦氏は村上昌己氏と同期で、隕石の研究者であった。

備考:西泉邦彦氏は、あかがね会の訃報(昨年4月)にあった、西泉邦雄氏の息子(日光丹勢社宅生れ?)の可能性があり、後日調べたいと思います。
先日郵送されてきた、高校(旧東京市立一中)の会報に西泉氏の訃報が掲載されていましたので、親子で同窓?
 平成25年1月28日