金星(上)月(中)木星(下)一直線を見て
川村 知一

はじめに
3月26日午後7時、栃木県さくら市から那須に向かう時、快晴の西の夜空に3個の天体が、ほぼ垂直に並んでいた。(写真1)

  翌日の読売新聞を見ると、うす曇りの中、東京スカイツリーと並んで、上から金星、月(月齢4日)、木星が西の空にほぼ垂直に並んだ(少々ぼやけた)写真が掲載されていた。
(都内はうす曇りであったが、栃木県は快晴であった。)

3月上旬からの金星と木星

  高校時代に天文部に所属した私は、日頃から夜空を見上げることが多く、3週間ほど前から、西の空に明るい星が2個(金星と木星)接近して気になっていた。
  最も珍しいと思われたのは、3月上旬、金星(右)の真横に木星(左)が並んだ時で、この先どのようになるか興味を抱いていた。
  それから約2週間後の26日午後7時、快晴の夜空を見上げたところ、西の夜空に金星(上)、月(中)、木星(下)が、ほぼ垂直に並んでいて、
コンパクトデジカメを取り出して撮影した。(タテヨコ自動変換で、金星がギリギリになってしまった。)


余談:大地震と月齢の関係

  私が大地震と月齢に関心を持ったのは、1995年1月17日、阪神大震災の時であった。
たまたま韓国出張で16日夜ソウル着、隣国の夜空の満月を見ていたからであった。
前年の1月17日にはロサンゼルス大地震(ノースリッジ大地震)があり、当日、私はロスの予定をデトロイトに変えて入国、約10日後ロス着、その夜(満月を見て)余震があり、2回の満月が気になり、韓国から帰国して早速、関東大震災などを調べたが必ずしも相関は見られず残念に思った。

昨年3月11日の東日本大震災では、3日前の夕方に犬の散歩を始めたところ、西の空に細い大きな月が見えて、「不気味な月だなー」と思っていた。

最近の大地震の例

東日本大震災 2011年3月11日    月齢6日     M9.0  
スマトラ島沖 2004年12月26日  14.1日(満月) M9.1
阪神大震災  1995年1月17日   15.7日(満月) M7.3
ノースリッジ 1994年1月17日    5日     M6.3

満月、新月と過去の大地震(ネットでも既に調べていた人がいた)

1854・12・24  安政南海地震   M8.4  新月前日
1855・11・11  江戸地震     M6.9  新月翌日
1905・6・2   芸予地震     M7.2  新月前日
1946・12・21  南海地震     M8.0  新月前々日
1960・5・23   チリ地震     M9.5  新月前々日
1973・6・17   根室半島地震   M7.4  満月翌日
1983・5・26   日本海中部地震  M7.7  満月前日
1994・10・4   北海道東方沖地震 M8.2  新月前日
1995・1・17   阪神大震災    M7.3  満月
2001・3・24   平成13年芸予地震 M6.7  新月前日
2003・9・26   十勝沖地震    M8.0  新月
2004・12・26   スマトラ島沖地震    M9.1  満月

*その他多くの大地震があり、新月、満月に必ずしも関係があるとは言えないが、断層の形態によっては、月の引力が関係する場合があるのかも知れない。

平成24年3月28日