わが家の近くから見る“東京スカイツリー”
川村 知一
  数日前の夕方、近くにある橋を渡ると夕陽に浮かぶ“東京スカイツリー”(以下TST)が見えた。(写真1,2)
  わが家はTSTから約15km離れた新松戸にあり、この光景から途中の障害物の少なさに驚かされ、完成の暁には良好な電波が届くものと思われた。











                      *レンズ:50mm                                             *レンズ:85mm
  建設開始当初、6号線(水戸街道)で都内から帰宅する時、浅草で言問橋を渡ると、真正面に異様な建造物が現れ、「ナンダコリャ」と感じた。  東京タワー、パリのエッフェル塔のように末広がりでなく、上海にでもありそうな塔のように思われた。
しかし次第に高くなるにつれ、設計技術、工事技術に尊敬の念を抱くようになった。
  構造的にはニューヨークにあったツインタワー(以下TT)のように、鳥かごの中に鳥かごがあるような設計思想と思われる。
TTの場合は各階のフロアーには柱が無く、センターコアの柱と外壁の柱で成り立っていた。
地震を想定しないTTの場合、各階の鉄骨の結合にはボルトが使用されたが、地震と軟弱な地盤のTSTの場合は、どのような工法が採用されているのか興味のある所である。
  先般TVで、溶接技術を誇る中小企業が、TSTを構成する大型構造部材を精度良く溶接で作り上げていく作業が放映された。
  東京タワー、エフェル塔は信頼性のある(安全係数を低減できる)ボルト結合であり、信頼性に不利な溶接を多用する技術に、これまた驚きを感じた。

追記1.
  東京タワーのてっぺんにあるアンテナは、なんと古河電工が受注し、その苦労話が“あかがねHPの昔の話”で紹介されていた。
  私が入社間もないころ、東京タワーのアンテナ取り付け工事を現場で経験した、清滝小学校の同級生K君(養成所出身で後に原子力に異動した)が、「風の強い日は、てっぺんは1m位振れるんだ」と話していた。
 東京タワーも出来たてのころは、味気ない鉄塔にしか見えなかったが、いろいろお化粧し、アクセサリーが付いて、見栄えがするようになった。
            (品川のホテルから見た昼夜の東京タワー:写真3,4)










追記2.
  15年ほど前、パリのエッフェル塔に登ってみた。
最初のエレベーターは末広がり部分を斜めに登っていく、乗り換えて垂直のエレベーターになる。
  展望台から上を見ると鉄骨に多数のボルト結合が見られ、下を見ると整然とした都市景観があった。(写真5,6,7)

 平成23年1月10日