古河電工「株主工場見学会」に参加して
稲葉 浅治  
   平成23年10月6日(木)、古河電工「株主工場見学会」が行われ、日光へ行って来ました。多くのOB株主が参加されるのではと期待していましたが、残念ながら、顔見知りのOBの方にお会いすることはありませんでした。それもその筈見学者定員200名に対し、応募者総数約2千名という人気で見学会に参加できたのは、実に10人に1人ということでとてもラッキーでした。
   当日は東武日光駅に午前11時に集合し、受付の後、2台の貸切バスに分乗し、清滝にある古河電工厚生会館「季潤舎」に向かいました。
   ここで、自家用車で参加された方も含め、先ず昼食をごちそうになりました。「季潤舎」特製の豪華幕の内弁当でとてもおいしいものでした。この敷地には体育館、スポーツジム、レストラン、バー等の施設があり、従業員の厚生施設として活用されているとのことです。
   昔は野外のアイススケート場、養成所、従業員寮などがあった辺りでした。
   見学会は会社説明と日光事業所説明とでスタートいたしました。
 見学会は3台の貸切バスに分乗し、各バスに会社側係員が数名宛同行して、ご案内頂きました。私達のグループは先ず「記念館」に参りました。記念館の中には、大正天皇、皇后両陛下がご見学に来られた時の写真や椅子が飾られていた他、古河電工主要製品の展示、 歴代の日光所長写真などが飾られ、とてもなつかしく見学いたしました。
   というのも、私事で恐縮ですが、私は昭和34年に入社し、1ケ月の横浜工場教育実習の後、5月に日光精銅所に正式に配属となり、昭和40年まで足掛け6年勤務していたことがあったからです。その間分銅工場において3ケ月間の現場実習教育を受け、工程課、会計課で勤務し、最後は水尻会計課に配属され、初めての富士通製コンピューター導入の仕事をしておりました。
   その後、和楽池のほとりを散策しました。新入社員時代、大学卒の独身寮では、和楽踊が近づくと連夜のように先輩から和楽踊の特訓を受け、和楽踊当日は紫明寮食堂でお揃いの新品の浴衣を着て、日光芸者と乾杯をして丹勢の坂を下り、和楽池の周りで3日間夢中になって踊ったものでした。
   見学中は撮影禁止でしたが、和楽池周辺では撮影を許可されました。昔と変わらない和楽池、周りにある建物も昔のままでした。和楽踊は今年は1日ですが盛大に行われたということを聞き、昨年は何十年も続いた和楽踊が実施できなかったのは誠に残念に思いました。
   工場見学は銅条を中心に行われ、鋳造工場、素条工場、展延工場をまず見学しました。
   原材料が大きいこと、条の色の美しいこと、条のうすさなどに驚きました。又工場の中がとても整理整頓が行き届いてとてもきれいなのにビックリしました。
   次いで研究棟では超電導の原理について実験方式でとてもわかりやすく解説してもらいました。早く実用化して我々の日常生活に役立ててもらいたいと思いました。
   最後は古河日光発電株式会社の見学をしました。同社は平成15年に古河機械金属鰍謔阨ェ割され、古河電工の100%出資の子会社として発足した会社です。しかし歴史は古く、明治23年に動力用として我国で最初の水力発電所で現在もその当時の建物が残っていました。同社は中禅寺湖を水源として、見学した細尾発電所を含め四発電所で約3万kwhの能力があり、クリーンなエネルギー資源である電力を古河電工、古河スカイ、古河精密金属工業、古河機械金属等に供給しているとのことでした。
   見学を終り、昼食会場へ戻ると、おしぼり、お茶、麦茶の他に水ようかんが準備されているといううれしい心配りに接しました。休憩しながら質疑応答が行われ、見学会を終了しました。2台の貸切バスに分乗し「季潤舎」を後にしましたが、会社関係者20名程の人が手を振って見送って頂きました。行き届いた応対でとても有意義な見学会に感謝しながら、東武日光駅で午後5時頃解散となりました。
 今後もくじ運が良ければ何回も参加したくなる見学会でしたが、倍率10倍では難しいかも知れません。
 尚、日光事業所については、大津寄雄祐氏が「精銅所物語」としてあかがね会ホームページに連載中であり楽しみにしております。(大津寄氏は1年先輩で、私が新入社員として工程課に配属になった時、業務の引き継ぎを受けました。)
               
平成23年10月12日