逗子保養所に宿泊して |
稲葉 浅治 |
お正月の4日から6日までぽっかりと時間が空いたので、昨年12月28日に逗子保養所に電話したら宿泊できるということなので夫婦で出掛けることにした。 逗子保養所というと、私達昭和34年入社組にとっては、逗子寮と言った方がよい懐かしい思い出の場所である。 というのは新入社員45名が日光配属組と横電配属組とに分けられ、日光配属組は入社式終了後1ケ月間横電実習となり、その宿舎が逗子寮だったのである。 大学を出たばかりの新入社員にとって、毎朝、逗子から横電までの満員電車通勤は、サラリーマンになったという実感を感じさせられるものであった。しかし、昼間の教育実習は厳しいものがあっても、逗子寮での合宿は大学生そのままの合宿で、毎晩皆で宴会をしているような有様で、厳しいサラリーマン人生のオアシスみたいな気分で毎日が楽しい逗子寮生活であった。そのため、時には羽目を外したようなこともあり、人事の方にはいろいろとお世話になった。 その後逗子寮には、会社の合宿研修で利用したり、結婚して子供が小さい頃には毎年のように家族で夏の海水浴に利用させてもらった。特にプールが出来てからは子供達はプールで泳ぎ、海で遊ぶというパターンが好きでよく利用したものである。これは子供達の時代にも続き、私が定年を過ぎてからもよく利用させてもらった。 しかし、そのプールも寿命が来て廃止となり、逗子保養所の魅力がひとつ減ってしまったが、今回行った時には、プールのあった場所はきれいな芝生となっていた。 私達が昭和34年に合宿した逗子寮はその後取り壊され、その跡はつい最近までファミリーレストランになっていたが、今回行った時はそのレストランも無くなり、その施設をほとんどそのまま利用した形で珈琲店レストランになっていた。このレストランにはドッグガーデンが併設されており、屋外席の一部が間仕切られ、外から直接、ペット犬を連れて入って飲食できるスペースになっていて、昨今のペットを連れてのドライブ客が利用するのに格好の場所となっていた。 逗子保養所では5階洋室に宿泊したが、客室からの眺めはすばらしいオーシャンビューで、江の島付近の海にはヨットが群がり、江の島の上空には大きなきれいな富士山が一望できる上等の客室である。保養所の夕食は私達老夫婦にとって食べきれない位のおかずがつき、味も良かった。また、朝食も老夫婦にぴったりの和食であった。お風呂はとても湯船が広く、お湯もたっぷりで、しかも朝風呂もあり、日頃の疲れをゆっくりと癒すことができる雰囲気が十分であった。これで一泊二日食付7,450円ということで、普通のホテルの値段の1/2、1/3の値段ではないかと思う。 昨今、各社の健保組合が保養所を廃止している現状が見受けられるが、古河電工の場合、保養所の数は減ったものの、逗子、鬼怒川の両保養所が社員のみならず、OBも低廉に利用できるのはありがたいと感謝しなければならないと思う。 今回、年末年始を過ぎた時期ということもあって、宿泊客が少なくて淋しい感じがあったが、社員もOBも、もっと利用して保養所の灯りが消えないよう協力していくことが必要であると思う。 このたびは、2泊3日の小旅行であったが、この間に鎌倉江の島七福神巡り、江の電1日パスを利用しての江の電沿線巡り、葉山マリーナ、鐙摺漁港(日影茶屋近く)等の海辺巡り、華頂宮邸見学などで早春の旅を楽しむことが出来、3日間で累計6万歩のウォーキングとなった。 逗子保養所もプールが無くなってしまったため、孫達にとって夏の楽しみが減ってしまったが、鎌倉、江の島、三浦半島の小旅行には 絶好の足場であり、今後も引き続き利用させて頂きたいと思った。 |
平成25年1月15日 |