東京スカイツリー見学記
稲葉 浅治  
 平成24年5月22日(火)、待ちに待った東京スカイツリーがオープンしました。

この日は生憎の雨でしたが、徹夜組も含め、大勢の人が押し寄せ、テレビも早朝からスカイツリーを取り上げ、前日の金環日食報道に負けない過熱報道振りでした。
私も午後から雨の中スカイツリーに出かけました。私がスカイツリーに行ったのは初日のスカイツリーを見たいというよりは翌23日に文京区高齢者大学生の会会員63名を引率していかなければならないので、その事前調査のために出かけました。
翌日の報道によれば約22万人が訪れたとのことでした。

5月23日(水)、オープンの翌日は昨日からの雨もやみ、晴天となりました。この日のスカイツリーの予約は昨年の11月23日に幸運にも50名の予約がとれていました。しかし、4月になり会員105名より希望者を募ったところ63名の応募があり、13名が残念ながら参加できないという結果になりました。それでは困るので何とか増員してもらおうと交渉しましたが、他の団体でキャンセルが出るのを待つしかないということになりました。それからというものは毎日電話をしてやっと30日後に増員が可能となりました。
我々の団体予約入場券は午前8時30分だったので、午前8時に都営浅草線押上駅中央改札口出口で集合しましたが、早い人は午前7時30分頃には来ており、皆の関心の高さに驚きました。
まず1階の団体カウンターに行き、予め送付されてきていた団体予約確認票を呈示して63名の入場券とパンフレットを受領しました。入場料は第一展望台「天望デッキ」まで大人2,000円(団体割引1,800円)です。団体見学者は1階からまず4階の入場口まで団体用エレベーターで移動します。4階の団体入場口では各自で入場券のバーコードを読取機にタッチして読み取らせて入場します。4階から「天望シャトル」というエレベーターに乗り、第一展望台「天望デッキ」に登ります。「天望シャトル」は40人乗りとしては日本最速の分速600mのエレベーターなので、350mの「天望デッキ」まで約50秒で到達しました。分速600mというのは通常のマンション用エレベーターの10倍の速度だそうですが、まったくゆれを感じません。またこの「天望シャトル」は4台ありますが、内装が 春、夏、秋、冬 を表現したものとなっています。
「天望シャトル」の到着した第一展望台「天望デッキ」は350mで東京タワー(333m)をしのぐ高さで、目の前にすばらしい光景がとび込んできました。それは文字通り一大パノラマの圧倒されるような景色で、息を呑むような、言葉につくせない風景でした。
「天望デッキ」は3階建で一番上は「フロア350」と呼ばれ「江戸一目図屏風」が置かれ、江戸時代の街並みと眼下に広がる現在の景色を重ね合わせることで、歴史の浪漫を体感できるようになっていました。
3階建の真中は「フロア345」と呼ばれ「東京時空ナビ」が置かれています。これは「天望デッキ」から一望できる景色を52型の大モニターを3面つないだ迫力映像を見ることができるものでした。
3階建の一番下は「フロア340」と呼ばれ、ガラスの床を通して真下の風景を見ることができました。高所恐怖症の人でなくてもこわごわとした足取りで歩いておりました。このガラスは耐熱強化仕上げのガラス床で、絶対安全であり、真下に広がる迫力ある眺めとスカイツリーの鉄骨美とをスリル満点で楽しむことができました。
第一展望台「天望デッキ」を楽しんだ後、第二展望台「天望回廊」へ行くための入場券は大人1,000円(団体割引無)ですが、これは第一展望台でしか発売しておりませんが、その待ち時間が30分と表示されていました。これは一つには第一展望台の定員が2000人なのに対し、第二展望台の定員が900人であること、二つ目にはエレベーターが40人乗り2台しかないこと等に原因があるようです。(23日には最高90分待ちであったらしい)
ようやくのことで入場券を購入でき、第二展望台行きのエレベーターに乗ることができました。このエレベーターの特長は「シースルーエレベーター」で回りの景色が見えるのは勿論、エレベーター上部がガラス張りになっていて登って行く目的地の第二展望台の下部に近付く様子をしっかりと見ることができるものでした。このために30秒かかる時間があっという間の短い時間に感じられました。
着いた第二展望台「天望回廊」は「フロア445」と呼ばれるところで「フロア450」まで110m続くスロープ状の回廊で、まさに空中を散歩しているような気分の上り坂です。やがて451.2mというスカイツリーで通常行ける最高到達点「ソラカラポイント」に到着しました。
第一展望台より更に100mも高い第二展望台からの眺めは自立式電波塔として高さ634m世界一をギネス認定された世界一の眺めでした。
この日は晴天で眺めもよく、富士山もすぐそこにあるような眺め、眼下の建物もオモチャのようで、走っている車は豆粒よりももっともっと小さく見えました。天気がよいためかヘリコプターが何台も飛んでいましたが、我々の眺めている所よりかなり下の空を飛んでおりました。いつまでもいつまでもずっと見続けていたい夢のような天国からの眺めでした。
帰りは第一展望台でエレベーターを乗り換え、5階まで下りて参りました。昭和45年に初めてエンパイアステイトメントビルを見学した時エレベーターを二度乗り換えたことを思い出しました。
5階出口フロアは「スカイツリーショップ」があり、スカイツリー観光の記念のお土産を買う人でごった返しておりました。ディズニーランドでもこんなには混雑しないのではと思いました。この上の6階7階は「ソラマチダイニング」というレストラン街となっておりました。誰もが安心して利用できる定食メニューから、日本の地方発名物料理店が集まっていて、それぞれ個性溢れる食のフロアという感じがしました。また、7階には「プラネタリウム 天空」もありました。
5階から連結ブリッジを渡っていくと「東京ソラマチ」に出ます。5階は「産業観光プラザ すみだ」をはじめとする、遊んで・体験して・学べる、企業や自治体の情報発信スペースとなっていました。4階はスーベニア専門店が集まるフロアで修学旅行生で溢れていました。
3階はファッション雑貨のフロアで女性客の多い所でした。2階は地域の台所「フードマルシェ」とフードコード「ソラマチタベテラス」でものすごく混雑したデパ地下とものすごく混んだファストフード店の集合体というような感じがしました。1階は下町のにぎやかな「ソラマチ商店街」で、全長120mの通路に食品、雑貨、カフェなどのお店が並んでいて押すな押すなの人ごみでした。
レストランはビルの31階と30階にある「ソラマチダイニングスカイツリービュー」で地上150mからタワーを望む高級レストランがありますが、お値段も高く、家族で行ったら何万円もかかってしまうという感じを受けました。
この他に「水族館」もあり、小笠原の海を人工海水で再現しており、入場料大人2,000円にもかかわらず多くの人が行列していました。
このように、東京スカイツリーは「スカイツリータウン」と呼ばれるにふさわしく、一日中何時間でも遊べる所だと思います。
そのためには体力(耐力)、金力(筋力)が必要であることを痛感しました。しかし、必ず一度は行くことをおすすめします。
                                                                                                                   以上
平成24年5月23日