第 3 9 3 回 講 演 録

日時: 20111212() 13:0014:40

演題: 世界の水資源と食料・農業・農村

講師: 総合地球環境学研究所 副所長・教授 渡邉 紹裕 氏

はじめに

自己紹介

現在: 大学共同利用法人 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所 副所長・教授、農業農村工学会理事、国際灌漑排水委員会「気候変動作業部会」副部会長、国際湖沼環境委員会国際科学委員会委員、文科省、農水省、京都府などの各種委員会の委員、水の安全保障戦略機構「執行審議会」委員などを務める。

主な著書(近著): 「地球温暖化と農業 地域の食料生産はどうなるのか?」、「水と人の未来可能性――しのびよる水危機」、「塩の文明誌 人と環境をめぐる5000年」など

専門: 農業土木学、灌漑排水学

経歴: 1953年栃木県日光市(丹勢)生まれ(父・渡邉幸健氏)、水の豊かな日光で幼時から「水」と親しみ、小学1年まで過ごす。1983年京都大学大学院農学研究科博士課程農学工学専攻単位取得後退学の後、京都大学、大阪府立大学助教授などを経て、2001年総合地球環境学研究所(地球研)勤務、2003年から教授。

総合地球環境学研究所について

創立: 2001年

所在地: 京都市北区上賀茂

組織形態: 大学共同利用機関法人・人間文化研究機構所属

ミッション: 地球環境問題の根源は人間文化の問題にあるという哲学に基づき、「人間と自然系の相互作用環」と「未来可能性」の視点に立って、既存の学問分野の枠組みを超えた分野横断的研究による総合地球環境学の構築

1.世界の水資源の概況

1)地球の水~使える水は限られる

 地球は「水の惑星」と呼ばれ、地表の7割は「水」で覆われているが、地球の大きさに対して地表の水の全体積は極めて僅かしかない(下表)。

  

km3

%

%

地球の総体積

0,832.07 

100.00    

 

地球上の水

13.86 

0.13    

100.00

うち 海水

13.51 

 0.12    

97.47

〃 淡水

0.35 

0.003   

2.53

      うち氷河等

0.24 

 0.002   

1.76

      〃  地下水

0.11 

 0.001   

0.76

      〃 河川・湖沼

0.001

0.00001

0.01

 大気の体積も水より少し多い程度で地球を薄く覆っているだけである。このように地表の広がりに対して少ない水と空気の中で生存しているわれわれは、その変動で大きい影響をうける。われわれが日常的に利用可能な「水資源」は淡水の中の河川・湖沼の水だけで、地球上の水の1万分の1(0.01%)の微々たる量でしかない。また、量的な変動だけでなく貴重な水と空気を質的にも劣化させてはならない。

2)洪水と干ばつ~世界ではまだまだ大問題

① 世界の洪水被害

日本では近年あまり深刻な水問題は起きていないが、世界ではなお過酷な大洪水に襲われる地域が多くある。世界70億の人口のうち年間5億2千万人が洪水の影響を受けている。中でもアジアのモンスーン地帯は世界でも最も多く洪水の影響をうけ、過去20年間で毎年平均4億人以上が洪水の被害をうけ、この間の全世界の洪水による死亡者数の97%、22万8千人が死亡している。過去10年間の経済的損失は1,360億ドルにも及ぶ。洪水・気候関連災害による世界経済へのコスト負担は現在年間500~600億ドル、全世界の開発援助額とほぼ同額で、多くが貧しい低開発国で発生している。世界の洪水関連死亡者は自然災害関連死亡者全体の15%である。

② 日本の水問題

日本では1945年以降20年間は年間数千人の洪水による死者が発生していたが、1965年頃以降は千人を超えることはなく,死者の数は20年毎に一桁ずつ減少してきた。日本の水の総使用量は過去約30年間比較的安定していて、1990年代の初めに894億m3でピークに達した後、微減傾向にある。水使用量を部門別にみると、2003年で農業567億m3、都市用水282億m3、工業用水121億m3、生活用水161億m3となっている。日本では水需要の増加は当面は見込まれず、利水のためのダム貯水池の建設は必要でないというのが基本的な方向となっている。                   

③ 世界の「水ストレス」

世界全地域を小区画のグリッドに分割し、それぞれの区画別の利用可能水量(降水量-蒸発量)によって「水ストレス」を見ると、一人当たりの年間利用可能量が1,000 m3を切る水不足の危険水準にある地域が中国の黄河流域、中東、アメリカ西海岸など北半球の北緯20度から50度前後までの地域に多く分布する。1995年で世界平均の利用可能水量8,559 m3に対し日本3,355 m3、エジプト779 m3、サウジアラビア94 m3となっている。

3)世界の水利用の展開~「大口利用」の農業用水

世界の水の総使用量の大半(約6割)を占める農業用水の使用量は20世紀初頭からの推移をみると当初500km3であったものが、人口増加に伴って2000年には2,600 km3となり、2025年には3,200 km3に達すると予想される。この状況にかんがみて国連は2000年に採択した「国連ミレニアム開発目標」の一つとして「2015年までに、安全な飲料水と基礎的な衛生施設を継続的に利用できない人の数を半減する」という目標を定めた。現在は世界で安全な飲料水にアクセスできない人は11億人、基本的な衛生施設を利用できない人は26億人、赤痢のため死亡する子供は180万人、水が原因で登校できない日数が4.43億人・日にも上っている。しかし、目標年まであと数年しか残されていない現在でも、目標達成に向けての改善は順調ではなく、このままでは大幅な達成の遅れが予想される。

2.地球温暖化と水資源

1)「地球の放射熱収支」と「大気と海流」

太陽からの日射により地球に届く短波(紫外線)電磁波のエネルギーは地球に対して平行に入射するため、地球の緯度により入射角が変わり、通過する大気層の距離も変わる。赤道近くでは直角に入射するが両極地では反射またはすり抜けてしまう。単位地表面積当たりの日射吸収量は赤道近くで約300W/mであるが、両極地では100W/m以下である。一方、大気は緯度に応じて一定の温度を持っているため地表面に向けて長波の赤外線を放射し、さらに地表面から外に向けて赤外線が逆に放出される。その結果、赤道付近では放出赤外線量は大きいものの、それを超える日射吸収量によって放射熱収支差は大きく50 W/m程度のプラスとなり、両極地では放出量と吸収量の絶対値は共に小さくなるものの、放出量の方が大きいため収支差は50 W/m以上のマイナスとなる。この状態が続くと赤道付近の温度は無限に上昇し、両極地では無限に下降することになってしまうが、実際には大気流と海流により赤道地帯と極地帯の熱収支のやりとりがなされているため、両地帯の温度は極端に変化することなく、地球全体として安定的な温度が保たれている。

2)大気―地球系のエネルギー収支

  宇宙空間から地球に届く太陽光の短波放射エネルギー100とすると、地表面への直達放射が24、雲の反射散乱の一部などによる散乱放射が21で合計45が地表面(水圏と岩圏)に到達する。さらに大気中の水、酸素、二酸化炭素、雲、塵などに22が吸収され、残りの33が雲による反射散乱や地表面での反射散乱などで宇宙空間に還って行く。一方、地球上の長波放射エネルギーは大気からの逆放射で98が地表面に吸収され、反対に地表面からの長波放射で-113が放出され、その差の-15が正味放射となり、放射冷却の-52と合わせて67が宇宙空間に放射される。その結果、宇宙空間と地球系のエネルギー総合収支は短波放射の33と長波放射の67と合わせて、入射した短波エネルギーと等価の100が宇宙空間へ放出され、均衡することになる。地表温度は短波放射による吸収エネルギー +45と長波放射エネルギー -15の差+30が吸収され温度上昇が続いてしまうように見えるが、顕熱と潜熱で-30が地表から放出され大気を加熱する方向に向かうため、地表温度は一定となる。一方、大気温は大気中分子の短波熱吸収+22、長波放射冷却-52、蒸発散+30でバランスすることになる。このようなメカニズムで平衡を保っている地球系―大気と大地のエネルギー収支も大気中の二酸化炭素、メタンなどの温暖化効果ガスの蓄積による短波放射エネルギーの吸収量の増加によって大気温が上昇し、均衡を失うことになる。また温暖化による気温上昇のため地表面からの水分の蒸発散が増え更に大気を加熱し、雲が多く発生し降水量が増大することになる。

  地面(および海面)のエネルギー収支と水の循環についてみると、日射による入射エネルギー+175Wと上向き赤外放射-76Wの差+99Wが地面に吸収され、水の蒸発で-81Wが奪われ、残り-18Wが顕熱として放出される。一方蒸発した水は水蒸気となって雲を形成し、雲は 81Wを放出し、降水となって地面に水を循環させる。

図1.大気―地球系のエネルギー収支

3)GCM(大気大循環モデル)

将来の地球温暖化を予測する数値モデルとして、さまざまな研究機関によって開発されたGCM(General Circulation Model:「大気大循環モデル」)があり、超大型コンピュータ(「地球シミュレータ」など)を使って、地球表面をグリッド状に分割し、セグメント毎に土地利用・大気・海洋などの特性の膨大なパラメータを入力し計算するものである。このモデルによる計算の結果、過去25年の温暖化(平均地上気温の上昇)などの長期気候変動は太陽活動、火山噴火などの自然影響では説明できず、人為影響すなわち二酸化炭素、メタンなどの温暖化効果ガスの増大で説明されることが分かった。

4)IPCC(気候変動に関する政府間パネル)

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:「気候変動に関する政府間パネル」)がこれらのモデルによる見通しを取り入れた報告書(IPCC AR4)を作成した。これが現在の気候変動に関する世界の「標準認識」とされている。

IPCC第4次評価報告書(AR4)の要点

① 第1作業部会・・・科学的基礎

・地球は温暖化、過去100年(1906~2005)で平均気温が0.74℃上昇

・今後全球の平均気温は2100年までに「1.8~4.0℃」上昇

② 第Ⅱ作業部会・・・影響・適応策・脆弱性

・温暖化の影響は物理的環境や生物に既に現れている

・将来、一層大きな影響が生じると予想される

・この影響を避けるためには適応策を講じることが必要

・適応策と温暖化効果ガスの削減による緩和策との組み合わせが必要

③ 第Ⅲ作業部会・・・緩和策

・温暖化効果ガスの排出は増大、今後数10年は増加が続く

      ・大気中の温暖化効果ガスの濃度は実用可能技術と政策の組み合わせで安定化することが可能       

5)地球温暖化と水循環・水資源の変化

① 地球温暖化の淡水資源への影響

    IPCC AR4は地球温暖化の淡水資源への影響を次のように予測している。

温度上昇の直接的影響

・氷河、氷床の融解に伴う流量の一時的増加(今世紀末までには減少、全世界人口の1/6が依存)

・早期融雪促進による河川流況パターンの変化

・水温上昇による水質変化や生態系への影響

気候変動の間接的影響

・極域と湿潤熱帯で10~40%の水資源賦存量増加

・熱帯、亜熱帯、乾燥地域で10~30%減少

・旱魃の影響を受ける領域は増大

・激しい洪水の頻度は増大⇒洪水リスク増大

今年タイで起きた洪水のような個々の現象を温暖化の影響と直接結び付けることは難しいが、少なくとも温暖化すればこのような洪水が発生する頻度は高くなると考えられる。世界各地域の渇水頻度と洪水頻度の予測例図をみると、同一地域で渇水と洪水の両方の頻度が高くなる可能性の大きさが示されている。そのような地域では渇水と洪水共に有効な対策を講じ管理する困難な課題が突きつけられている。

  ② 各種モデルによる気候変動予測

    数種のモデルによる2100年までの気候変動予測が行われているが、気温上昇予測についてはモデル間に大差はない。しかし降水量予測についてはバラツキが大きい。降水条件は空間的にも時間的にも非常に狭い範囲で変化するので予測の精度が低いためである。気候予測モデルで適用されるメッシュの大きさは2007年頃までは一辺250~500km程度であった。現在は20km程度にまで解像度が高くなり全体としての推定精度も向上しているが特定の狭い範囲(特定グリッド)の長期予測は依然として精度は低い。

  ③ 温暖化の水資源への影響

    温室効果ガスの濃度が高まり、熱吸収量が増える結果もたらされる気温上昇、水温上昇、蒸発水量の増加、海水の熱膨張などの水資源への影響を図2に示す。

図2.温暖化の水資源への影響

    温暖化は水資源の量的な変化だけではなく、図3のように水質にも様々な影響を与える。

図3.温暖化の水質への影響

3.水資源の変化と食料・農業・農村

1)食料生産と水利用~食料生産には大量の水が必要

  日本の水田面積は昭和30年代のピーク時で360万haあったが、現在植え付けしている面積は約半分の180万ha程度となってしまった。食べる米の量も130kg/年・人であったものが現在は60kg/年・人と半分以下となった。ご飯1杯(コメ67g)のコメを生産するのに必要な水は440ℓ。日本人は1人・1日700ℓの水を使用する。因みにチーズバーガー1個を作るのに必要な水は約2,700ℓ(大部分は肉の生産に使われる)。

  穀物生産において水利用の増加と単位収量の増加には密接な関係がある。特にアジアでは灌漑施設整備が、品種の改良や肥料の投入と並んでコメ増産へ大きく貢献した。 世界の総耕地面積の増加は1980年代から停滞し、1人当たりの耕地面積は1960年代初頭の0.45haから、2000年には0.25haに減少している。しかし灌漑面積は近年も増加を続けてきたが頭打ちの傾向で、1人当たりの灌漑面積(5a/人)はほぼ一定に保たれ増加はなく、今後は灌漑による穀物生産の飛躍的な増加は期待できない状況となっている。一方で、農地の地下水灌漑への依存度の高い地域では過剰取水による地下水の枯渇が問題となりつつある。                              

2)地球温暖化の作物生産への影響

  「温暖化」(高CO2濃度、高温度)は作物生産に下記のような影響を及ぼす。

・現在の2倍程度の高いCO2濃度環境が作物の物質生産に悪影響を与えることはない(まずなさそう)。

・土壌管理・施肥が十分でないと高CO2濃度による生産増の効果は小さい。

・高CO2濃度による全乾物量の増加割合に比べて収量(経済収量)の増加割合は小さい。

・高CO2濃度環境は蒸散と光合成のバランスを変化させる。水利用効率は40~80%も高くなる。

・常温~常温+5℃の範囲で、CO2濃度倍増による乾物量の増加と温度の関係は見られない。

・イネやトウモロコシ、コムギは開花時の高温(35℃以上)によって不稔現象(高温不稔)が生じる。

3)地球温暖化の日本の農業・農村への影響

 温暖化により日本の「農業」は下記のような影響を受けることが予想される。

平均気温の上昇

・栽培適地の移動、生育期間の変化

・積雪の減少による河川流量の減少

・高温障害による農畜産物の生産量減少・品質低下

・病虫害の増大、農地養分動態・生態系の変化

降水形態の変化

・ダム貯水池や溜池の水温上昇

・連続干天・厳しい渇水の頻度の増大

・集中豪雨の程度・頻度の増大

平均海水面の上昇

・河口から塩水遡上の拡大

・地下水への塩水侵入

温暖化により日本の「農村」の受ける影響は下記のものが挙げられる。

・農村の水循環系の変化

・土壌生態系の変化

・植生への影響

・野生動物(害獣)・昆虫の生息分布の変化

・沼地・湿原の減少

・里山など周辺の変化

・農家健康への影響(戸外労働環境)~熱中症発症の増加など

おわりに

水~食料・農業・農村の一体管理

日本の農業の長期的な将来像を考えるとき、物理的な環境変化はある程度予測できても、食料の市場環境(需給)の変化の予測は極めて難しい。このように不確実な状況のなかで、「水・食料・農業・農村」のあるべき姿を考えるための基本的観点・仕組みを次のキーワードで表す。

「食の安全・農の健全・水土の保全」

  安全な食物をつくるためには健全な農業が必要であり、健全な農業を営むためには水土の保全が欠かせない。「水土」とは地域の自然環境と、それに適応し、積極的に働きかけていく人間の営み(文化社会)の全体をいい、土地利用、施設・装置の配置、管理運営技能・技術、体制・組織、人材育成なども含む一体的な体系である。農業はもともと不確実なことをしのぐ「技」であり、次のような「水土の知」の集積である。

・自然との関わり、地域の知恵

・考える材料を継続的に積み上げ、少しずつ対応を考える。

・最新モデルによる「見通し」を活用しつつ、対応を見定める。

・事態の進行を監視し、順応的に土地、水を管理し、農業生産を続ける。

・「見試し」の「現代的仕立て直し」、特に大切なことは、皆で知恵を出し合う「共同」~「関係性」であり、単に生産効率を上げ、環境を保全するための「共同」ではなく、参加者が「共同」することに自ら喜びを感じることである。

Q&A

Q1:植林は温暖化防止、水不足対策に有効か?

A1:森林が環境保全のため地表で持つ役割は大きいといえるが、具体的な有効性はまだ十分整理されていない。一般的にCO2の循環、保水、木材・生物の供給の役割があるといえる。元々あった森林を伐採した跡は元の水の循環系を維持するために再植林することが有効であるが、地域によっては植林が水資源の涵養に対して悪影響を及ぼす場合もある。植林は何でも環境によいとする「植林神話」にとらわれてはいけない。例えば、中国の黄河流域では乾燥地帯に大規模に植林した結果、河川に流れるべき水が樹木に吸い上げられ蒸発散量が増えたため、農業のための取水量増加も加わって、黄河流域は植林が進む前より流量が大幅に減少してしまったといわれている。

Q2:「節水」の必要性・有効性はどう見るか?

A2:水を使用する地域・拠点により「節水」の必要性が変わる。水田農業のように取水した水の大部分を再び川に還流させている場合は、流量に大きな変化を与えないので、「節水」はあまり必要としない。節水した水は、水循環の体系の中で他の目的に使用できる。日本では経済的観点以外には「節水」に対するインセンティブはあまり強くないが、世界の水不足地域ではニーズが高い。

Q3:温暖化により作物の適地が変わるように森林の植生にも変化が生じるか?

A3:森林は作物と違い環境適応に時間がかかるので、1~2℃の気温上昇が直ちに影響することはない。長期的には、気温の上昇に従って生育適地が高緯度地方や標高の高い地域へ移動していくことはありうる。一方、温暖化に関わらず、森林管理政策の変化の影響の方が大きいであろう。

Q4:TPPが日本の農業に打撃を与えるというが、問題はむしろ農業の高齢化にあり、温暖化により北海道が農業適地に変わるという見方もあり、どのように考えたらよいか?

A4:温暖化による1~2℃の気温変化は、日本農業が持つ技術で適応できる範囲であろう。むしろ、指摘されたように高齢化など担い手不足の方が構造的な問題である。日本の農業は産業としての単なる経済活動の場ではなく、地域の文化、生活の場としての役割を持っていることを十分認識しなければならない。

  (記録:井上邦信)