あかがね倶楽部「ブリッジ会」活動の記録
                                                                                                                                       2012年8月11日
                                                                                                                         ブリッジ会 会長 磯部 務

 
【ブリッジ会活動の概要】
1.ブリッジ会の発足
 古河電工OBの間で、コントラクト・ブリッジの会設立の機運がたかまったのは2001年後半のことである。最初の会合は2001年10月3日(水)、あかがね倶楽部において、有志数人により開催されている。このとき、会合を毎月倶楽部で開催することと、会の活動を広く知ってもらうため、「ブリッジ会」を倶楽部に届け出ることが決まった。当時のプレイは1テーブル、2テーブルの別なくラバーであり、したがって、戦績を記録することはなかった。
開催場所は、第1回以降現在まで、中目黒のあかがね倶楽部である。会員だけの施設なので気兼ねなく利用できる上、ペア2組が対座するテーブル(麻雀卓を流用)があり、コーヒー、日本茶のサービスもある好環境である。事務局スタッフ(古河OB)が常駐している安心感もあり、最高の条件が整った場所だと言える。当初は、メンバーにあかがね倶楽部非会員(倶楽部の利用は有料)も含まれていたが、その後、ブリッジ会が倶楽部に正式に登録されたころには、全員が会員となっていた。

2.ビッディング・システム
 初期の会合に参加したメンバーの半数以上は、1950~1960年代に主流であった、ゴーレン・システムと呼ばれるビッディング・システムの経験者であった。この会合に先立ち、国内外ではすでに、「ファイブカードメジャー」と呼ばれるビッディング・システムに移行していることが分かっていたが、どちらのシステムを使うかは各人任せとした。
早い段階で、ブリッジのソフトMicroBridge (当時はVersion 9)の紹介・提供があった。このソフトはただちにメンバーに普及し、それぞれが自宅でビッドとプレイを楽しみつつ、最新のシステムを学習することになった。外部の講習会やクラブに通う者も現れ、自然な成り行きで、主流はファイブカードメジャーへと移っていった。

3.ラバーとデュープリケート(マッチポイント集計ソフトの開発)
 ラバー・ブリッジを楽しんでいたのは最初の7回までで、あかがね倶楽部にボードと8組のカードが常備された2002年9月以降は、デュープリケートが主流になった。ラバーでは獲得ポイント(ゲーム・ポイント+ボーナス・ポイント)そのものを競うが、デュープリケートでは、同じハンドをプレイして獲得した2テーブル間のポイントの差を、マッチポイントに換算して競う。この方法は、配られたカードの良し悪しの要素、つまり、運の影響が小さいとされる。また、同じハンドでのビッドとプレイの結果を、彼我の差で検討する楽しみも生まれる。そのため、定例会の結果を記録し、参加者にフィードバックするようになった。各プレイでゲーム終了後、52枚のカードの分布(ハンド)を記録するという手間をかけた時期もある。
デュープリケートでのプレイの結果をマッチポイントで集計するには、その換算のために対応表を参照する。この厄介な手間を省くため、メンバーの一人がEXCELを使いコントラクトとプレイの結果を入力すると、自動的にマッチポイントが計算され、各人の成績と順位が出る2テーブル用ソフトを開発した(開発者である天谷敏夫氏の名前をとって「天谷ソフト」と略称する)。結果の入力はマクロを利用する簡単な操作で済み、パソコンの画面に、プレヤーのマッチポイントが一覧表として現れる。同じファイルの別のSheetには、個人別成績(マッチポイントの集計表)が現れる。このソフトは1テーブルのプレイにも利用可能で、その場合は、ボードを使ってプレイし、その結果をマッチポイントで(2テーブルの差ではない)評価する(Chicago方式)。
毎月の結果を、「天谷ソフト」に追加入力することにより(個人別成績は自動的に集計される)、一つのファイルに年間の記録を収納することができる。コントラクトとプレイの結果を記録に残す煩雑な作業が、このソフトを利用することにより容易になった。

4.コンヴェンション
 ブリッジ会として、ビッドで使うコンヴェンションの範囲をどこまで広げるかは、現在でも検討課題である。古くから知られているブラックウッドおよびガーバー(いずれもエース・アースキング)とテイクアウトダブルは、最初から使われていた。また、ファイブカードメジャーでは基本的なコンヴェンションとされる、ストロング2♣ビッドと(クラブ以外のスーツでの)ウイーク2ビッド、1NTオープンに対する2♣レスポンス(ステイマン)の3つも、早い時期に使われ始めた。他の、例えばネガティブダブル、リヴァースビッド、キュービッドが話題に上ったことはあるが、メンバー全員が統一して採用するには至っていない。
ファイブカードメジャーに代わる「5枚メジャー最新スタンダードアメリカン」への移行も、目下検討中である。

5.ネット・ブリッジ
メンバー有志の間で2007年4月より、「ネット・ブリッジ」が始まった。現在ではほぼ毎週メンバーの4人が申し合わせて、所定の時間帯に、それぞれ自宅のパソコン画面上にソフトMicroBridgeのテーブルを出し、インターネット通話Skypeを利用してプレイしている。ソフトを購入する必要があるので、それが難点だが、あかがね倶楽部まで足を運ぶことなくブリッジを楽しめるメリットがあるので、ブリッジ会では、(月例会への参加を呼びかける一方で)ネット・ブリッジへの参加者も募っている。

6.広報活動と情報・資料の公開
 2010年1月のあかがね倶楽部会報において、メンバーの募集を兼ねて、ブリッジ会を紹介した。その中で、メンバー間で共有している、会の情報および資料を収納するWindows Live Sky Drive保管庫へのアクセス方法を公開した。
 このたび、ブリッジ会誕生から10年が経ったことでもあり、活動の記録をホームページに掲載することにした。次ページ以降の年表により、活動の概要を紹介する。広くあかがね会・あかがね倶楽部の会員に、ブリッジへの興味を持っていただければ幸いである。
コントラクト・ブリッジの醍醐味は、ゲームをビッドしメイクできたか、スラムはどうか、ペナルティダブルを成功させたかなどにある。デュープリケートでは、テーブル間での違いも興味の対象となる。参考資料として、デュープリケートでのプレイが多かった2003年と2004年の記録をPDFファイルに収め、閲覧に供する。その後2010年までは人数が集まらず、1テーブル(Chicago方式)のプレイが多かったので割愛するが、2011年1月からは再びデュープリケートが多くなっているので、最新のプレイを含めてPDFファイルを添付する。

                                                                                                         (文責:小田英輔)        



【ブリッジ会活動の記録】                                                   
暦年の 月例会の開催と参加者(敬称略)及び 主な活動 
平成13年(2001年) 第1回~第3回
開催日:10月3日、11月9日、12月25日
場所;あかがね倶楽部(以降同じ)
参加者:磯部務、平佐勝義、小田英輔、水橋亮、河野賢三、寺本英昭
(1)会長:磯部、幹事:水橋を決定
(2)会が発足する前水橋は「あかがね会総会」などの場で勧誘に努め、メンバーにはファイブカードメジャーの参考書(黒川著)を紹介し、公認プロ協会編「ビッドの仕方(一覧表)」を配布した
(3)MicroBridge9(ブリッジ用ソフト)を水橋が購入しメンバーに広めた

平成14年(2002年) 第1回~第7回(通算では10回)
開催日:3月12日、4月23日、5月27日、6月26日、9月9日、10月21日、12月4日
(アンダライン付はデュープリケートでプレイ)
新規参加者:天谷敏夫、下川速男
(1)幹事:水橋・小田(月例会の企画・連絡役のほか、結果を記録集計する幹事との2人体制に移行)
(2)倶楽部にボードが常備され、9/9以降はデュープリケート(2テーブル)でプレイ

平成15年(2003年) 第1回~第12回(通算では22回)
開催日:1月27日、2月19日、3月17日、4月15日、5月26日、6月24日、7月22日、8月25日、9月22日、10月20日、11月25日、12月15日
新規参加者:大山卓也、門脇芳雄
(デュープリケートの記録を「別添資料」に収納)
(1)幹事:水橋・天谷・寺本
(2)各人のハンド・ビッド・プレイ結果(マッチポイント)を記録
(3)天谷がマッチポイント換算プログラム設定のデュープリケート(2テーブル)用ソフトを開発、以後本ソフトを利用し成績を記録
(4)1テーブルでのプレイもボードを使うChicago方式を採用

平成16年(2004年) 第1回~第11回(通算では33回)
開催日:1月26日、2月23日、3月22日、4月26日、5月24日、6月25日、8月6日、9月17日、10月20日、11月12日、12月24日
 新規参加者:幼方靖雄、木村高夫、堀江俊男
(デュープリケートの記録を「別添資料」に収納)
(1)幹事:下川・天谷・寺本
(2)MSNコミュニティに参加(ウエブマネージャ下川)、資料と過去の記録類をWindowsLiveSkyDrive保管庫に収納

平成17年(2005年) 第1回~第10回(通算では43回)
開催日:1月27日、2月25日、4月8日、5月13日、6月10日、7月8日、8月12日、9月2日、10月14日、12月9日
(1)幹事:下川・天谷
(2)開催日を原則第2金曜日とすることを決定
(3)門脇がMicroBridge 11をメンバーに紹介、下川がMB利用のネット・ブリッジについて調査を開始

平成18年(2006年) 第1回~第12回(通算では55回)
開催日:1月13日、2月10日、3月10日、4月14日、5月12日、6月9日、7月14日、8月11日、9月8日、10月13日、11月10日、12月8日
(1)幹事:河野・天谷
(2)8人メンバーが揃わなくなり1テーブル(シカゴ方式)でのプレイが中心になった

平成19年(2007年) 第1回~第12回(通算では67回)
開催日:1月12日、2月9日、3月9日、4月13日、5月11日、6月8日、7月13日、8月10日、9月14日、10月12日、11月9日、12月12日
新規参加者:泉対伸太郎
(1)幹事:河野・下川
(2)あかがね倶楽部HPにブリッジ会の記事を掲載;会員募集
(3)YahooBridge(ネットブリッジ)が始まった(幹事:下川)

平成20年(2008年) 第1回~第11回(通算では78回)
開催日:1月11日、2月8日、3月14日、4月11日、5月9日、6月13日、7月11日、9月12日、10月11日、11月14日、12月5日
(1)幹事:河野・下川

平成21年(2009年) 第1回~第11回(通算では89回)
開催日:1月9日、2月13日、3月13日、4月10日、5月8日、7月10日、8月14日、9月11日、10月9日、11月13日、12月11日
(1)幹事:大山・寺本・下川
(2)あかがね倶楽部会報に「ブリッジの会について」掲載

平成22年(2010年) 第1回~第11回(通算では100回)
開催日:1月8日、2月11日、3月3日、4月13日、5月11日、6月9日、7月14日、8月11日、9月8日、10月13日、12月8日
新規参加者:小林行雄、福本治子
(1)幹事:寺本
(2)5月以降の開催日を原則第2水曜日とすることを決定
(3)天谷ソフトを利用し年間の結果を「2010年の記録」(EXCELのブック)に収納(2009年以前の収録に着手)

平成23年(2011年) 第1回~第11回(通算では111回)
開催日:1月12日、2月9日、3月9日、4月13日、5月11日、6月8日、7月13日、8月10日、9月14日、10月12日、12月14日
(デュープリケートの記録を「別添資料」に収納)
(1)幹事:大山
(2)ぎりぎりの8人参加だが、デュープリケートが数多く成立した
(3)5枚メジャー最新スタンダードアメリカンの検討が始まった。

平成24年(2012年) 第1回~第10回(積算では121回)
開催日:1月11日、2月8日、3月17日、5月9日、6月13日、7月11日、8月8日、9月12日、
10月10日、12月12日
(デュープリケートの記録を「別添資料5」に収納)
(1)幹事:大山・小田
(2)発足以来の「ブリッジ会」活動の記録をあかがね倶楽部のHPに収納
(3)月例会でのプレイの記録も同HPに掲載することとした。

平成25年(2013年) 第1回~
開催日:1月9日、2月27日、3月13日、4月10日,5月8日、6月12日、9月11日、
10月9日
(デュープリケートの記録を「別添資料6」に収納)
(1)幹事:福本・小田
(2)あかがね会月報に毎月の活動報告を掲載することを決定した。



【別添資料】
2003年の記録(2003年duplicate2003年ranking
2004年の記録(2004年duplicate2004年ranking
2011年の記録(2011年duplicate2011年ranking
2012年の記録(2012年duplicate2012年ranking
2013年の記録(2013年duplicate2013年ranking
各年のアンダーラインをクリックしますとデータが出ます。

【別添資料閲覧方法】
データは、次の要領でご覧ください。
1.”20XX年duplicate”
1) デュープリケートでプレイしたデータが、Round毎に一つの表にまとめられ、時系列的に表示されています。
2) 各Roundのテーブル番号1が左側、2が右側で、N, E, S, Wに座ったプレヤーの名前がPlayerのセルに現れ、その下、ボードのNo.が記載された表には、何を(Contract)、誰が(By)コントラクトしたか、結果(MakeまたはDown)がどうであったかが現れます。
3) Table 1ではN-S側2人の、Table 2ではE-W側2人の得点(=トリック点+ボーナス点)が表示され、各相手側ペアの(負号が逆になるだけの)得点は表示されません。コントラクトが成立しないPass Outはゼロ点ですが、セルに0は入りません(無表示)。
4) 表示されている2つを加算した点が、Table 2の右の表(Match Point)中、左列のセル(Total)に示されます。同じハンドで戦った2つのテーブルの、これが得点の差です。
5) この差がInternational Match Point表によりMatch Pointに換算され、獲得した得点(= Victory Point)となります。A Teamの得点がボード毎に、Totalの右セルに示されます。B Teamには負号を逆にした得点が与えられます。
6) 各Roundの勝敗は、プレイしたボード全体のMatch Point合計として示されます。その合計点は、最下列G. Totalセルの数字で、その右に設定された個人別得点表(Individual)に転記されています。0点は無表示です。

2.”20XX年ranking”
1) デュープリケートでプレイした個人別得点表です。
2) プレイ日順、Round順の獲得した得点表で、最右列は個人別得点の累計と順位です。
ブリッジ会が保存する記録としては、上記以外にも、1テーブル(Chicago方式)でプレイしたデータがあります。しかし、テーブル間の比較にならないので、閲覧用としては割愛します。

【2012年月例会参加者】

                                  前列左から:平佐勝義、磯部 務(会長)、河野賢三
                  後列左から:小田英輔、寺本英昭、下川速男、福本治子、大山卓哉

最近1,2年の随時参加者は次のとおり:
水橋 亮、木村高夫、泉対伸太郎、門脇芳雄*   (以上敬称略)      
(* 本年門脇氏が逝去されました。会員一同、心よりお悔やみ申し上げます)